空き家バンクの登録物件を見に行った
現在私が住んでいる地域もそうなんですけど、いま全国的に空き家がものすごい勢いで増えているみたいですね。で、地方の自治体などでは住む人のいなくなった空き家の対策に頭を悩ませているらしい、と。
私が現在住んでいる家は超ド田舎ですので、近隣に商業施設と言えるものはなく、周囲は山・川・原野に囲まれており、一番近くの食品スーパーまでは5キロくらいの距離があります。
こんな状況ですから、普段は喧騒から離れて非常に静かな環境ではあるんですが、年齢を重ねていくとどうしても生活を維持するのに不都合な面が出てくることは否めません。
また、父親もこの点に関して「特に食品スーパーが近くにあった方が歳をとってからは良いと思うようになった」と率直にド田舎に住むデメリットを語ってくれました。
というわけで、今私が住んでいる隣の市の「空き家バンク」に、各種商業施設に徒歩数分でアクセスできる物件が売値300万円台で掲載されていたため、時間はたっぷりあるのでどんなもんかと思い、ヒマを持て余している父親に頼まれたこともあって現地視察に行ってみました。
最初は市役所の担当窓口で受付し話を聞いたところ、実態としては地場の不動産屋が間に入って管理しているようで、移住目的の人なんかに需要がありそうな物件をピックアップしてHPに掲載することが多いようです。無論、市民や空き家所持者から相談が直接持ち込まれることもあるようですが、市役所が噛んで地場不動産業者に仲介を依頼したりするみたいです。
今回見に行った物件は1970年代に建てられた2階建ての戸建。6畳と8畳の部屋が合わせて4部屋とフローリングのリビング、設備はキッチン・ウオッシュレット付きトイレ・少し古いイメージのタイル貼りガスボイラー風呂、といった感じ。食品スーパー、郵便局、銀行、コンビニ(セブン・ファミマ)、すき家、弁当屋などといった各種商業施設が全て徒歩5分圏内といった感じの場所でした。
仲介手数料コミの現状渡しで約400万円、固定資産税は見込みで約10万円/年。外壁、内装は問題ないが屋根の雨樋に若干破損あるため修繕が必要、家財撤去済、空き家になったのは23年夏頃との事。私がパッと見た感じでは明日から住もうと思えば全然住めるし、実家の極寒状況から比べればかなり断熱性能も高い感じの物件でした。3~4人家族向けくらいの家、って感じです
条件が似たような物件と比べると3~400万円くらい価格帯が安いため、「もしかして事故物件なんじゃ・・・?」と邪推し案内してくれた担当の方にその理由を尋ねたところ「現状のままだと自家用車を停めるスペースがないのでなかなか買い手がつかないんですよ」との事。
確かにこの物件、家の前にちょっとした植え込みがあり、敷地内に自家用車を停めるためにはその植え込みとブロック塀を撤去し整地する必要がありそうです。私の感覚ではその費用が50万円くらいかなという感じ。しかも、停められたとして軽自動車一台がいいところかな、というスペースです。また、似たような家が立ち並ぶ住宅地のため貸駐車場などを提供している場所が近くに無いらしいのです。
利便性のそこそこ良い場所とはいえ当地ではひとり一台の自家用車は必須という感じですから、そのディスカウント価格も納得の理由です。現在の持ち主は車は所有せず自転車と徒歩、タクシーで過ごしていたみたいです。
それと、持ち主がご主人に先立たれ高齢一人暮らしとなり子供と同居するため関東方面へすでに引っ越しており、今後当地に戻ってくることは無いことから、さっさと現金化したいという意向もディスカウントしている理由の一つ、とのでした。
こんな感じで当日はとりあえず話を聞いて終わりだったのですが、私よりも父親の方が乗り気で「これ買って体が動かなくなる前にこっちに移住しようかな」なんて言いだしました。商業施設が近くにあるのがものすごく良いと感じたようです。確かに、現在の私の実家では食料品の買い出しには必ず車を出さなきゃいけない感じですから面倒っちゃあ面倒なんですよね。
今回案内してくれた方の話では、昭和40~50年代に作られた分譲住宅地において今回のようなケースが非常に増えており、今後さらに同様の物件は増えると思う、との事でした。実際、今回の物件の値段は「土地代+建物の取り壊しにかかる費用」くらいの価格と同等程度らしく建物の価値としてはゼロ、みたいなことを言ってました。
しかし今回の見学を経て、自治体が行っている「空き家バンク」登録の激安物件を見るのも面白いなーと思いました。意外と掘り出しモノ物件が地方自治体のサイトに掲載されてるかもしれませんね。