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掛金後払いの生命保険が誕生する?

 

おつかれさまです。

 

保険金の支払い「割り勘」、国内初P2P、日生が代理店、負担額を透明に、加入者数が課題。
2020/01/29 日本経済新聞 朝刊 

保険金の支払いというリスクを加入者が割り勘で賄う「ピア・ツー・ピア(P2P)保険」が日本でも本格的に登場した。保険スタートアップのジャストインケース(東京・千代田)は28日、国内で初めてP2Pのがん保険を発売。リスクと負担の関係がわかりやすい透明性の高さが売りだ。海外が先行するノウハウを取り込もうと日本生命保険も代理店として取り扱う。仕組みが複雑で「丼勘定」といわれてきた保険商品のあり方を変える可能性もある。
 新商品の「わりかん保険」はがんと診断された時に一律80万円の一時金を払う。契約者は20~39歳、40~54歳、55~74歳でグループに分かれ、各グループ内で毎月払った保険金額に手数料を加え、契約者数で割り勘した保険料を毎月後払いする仕組み。各グループの月額保険料にはそれぞれ500円、990円、3190円の上限を設ける。
 なぜ「割り勘・後払い」か。もともと「P2P」は対等な者同士(peer to peer)を意味するネット用語で、金融分野でも使われるようになった。一般的な保険は年齢や性別に応じ、保険料を前払いするのが基本。保険会社は保険料を運用し、病気や死亡する人が想定より少なければ、その多くは保険会社の利益や蓄えとなる。
 P2P保険は原則として加入者が同額を払う。保険金の支払いがなければ保険料はゼロとなる一方、支払いが増えれば負担も増える。「わりかん保険」は保険料に上限もあり、保険会社側が過剰な利益を得ているのではないかとの懸念をぬぐいやすい。後払いの保険料の根拠として誰にどんな保険金を払ったのかを開示するため、リスクと負担の関係の透明性が高いとの評価が期待できる。
 国内で前例がなかったことから、ジャストインケースは政府の規制緩和の枠組み「サンドボックス制度」を使って実現した。同社の畑加寿也社長は「P2P保険は業界を革新する可能性を秘める」と意気込む。 

(中略)
 透明性や簡潔さが特徴のP2P保険は既存の大手生保が主力とする手厚く複雑な保障には向いていないため、すぐに競合する可能性は大きくない。ただライフスタイルが多様化するなか、シンプルでわかりやすい小口の保険が若年層などに受ける可能性もある。
 (以下略)

 

2020年1月29日 日経新聞朝刊より引用 太字は管理人強調。

 

このような記事を目にしました(リンクはこちら)。

 

 

この記事の内容は元々28日の夕方、休みだったので温浴施設のサウナに入っていた時、ついていたテレビのワイドショー的ニュースでちらっと見たのですが、本当にチラ見しただけなので意味が分からず「またイロモノ的保険が出るのか、、、」などと思っておりました。

 

しかし、この記事を読んでみたところ個人的にはなかなか理にかなった形態なのではないか?と考えました。

 

これは、「死んだら〇〇円」という、全ての人に平等に訪れるいわゆる「死亡保険」に対しては適用できないですけれども、それ以外の「起こるか起こらないかわからないけど可能性がゼロではない」という事項に備えるのであれば基本的にはどんな事項にでも当てはめることが出来るのではないか、と。

 

例えば「10年の間にガンになったら100万円払われる」という保険を作るとして100人の加入者を集めた場合、その中で10人がガンになったらその場合の保険料は(100×10)万÷100人=10万円、という事ですよね。もしガンになったのが3人だったら保険料は(100×3)万÷100人=3万円、になると。しかもこれは1ヶ月の保険料じゃなくて10年間の総額保険料ですからね。

 

上のようなケースの場合今までの保険だと、特定のリスクに対して「おそらくこれくらいの人数がガンになるだろう」という予測のもとに、それに保険会社の経費や集めたお金に対する現時点での運用利息などを考慮して保険料が決まる、という形なので、不透明と言えば不透明ですし、これが保険不信を招く結果になっていったということも言えるのではないかと思います。

 

ですからこの記事にあるような保険が実際販売されたら、確かに保険料は「後払い」でも成立してしまうよなぁ、というわけです。

 

世の中には面白い仕組みを考える人がいるものです。確かに本来保険のあるべき姿というのは「みんなでお金を出し合って、不幸があった人(事)にお金を払う」という事ですから、極論すればそれに賛同できるのであれば保険料は別に後払いだって構わないんですよね。いってみれば「互助会組織」みたいなもんですよね。ただこれだと結局保険料を払って終わりだった人は「損した!」と考えがちですからいわば「不幸の宝くじ」みたいな感覚になってしまう気もしないでもないですが(今の保険もそういう面はありますけど)。

 

私も保険販売をしていた時がありますが、「保険とはこういうもの」的な感じで従来の生命保険のカタチを疑うことなく受け入れていたわけですから、こういう「逆転の発想」的考えが出来て、さらにそれを商品化して実行できる人は本当にすごいな、と思います。

 

この類の保険が普及するには、まずこの「仕組み」について加入候補となるお客さんに「どれだけ理解させられるか」がポイントだと思いますけど、日本においてはどうなんでしょうか。結構適当に考えてる人が多いような気がしますから難しそうな気がしますけど。個人的には良い仕組みだと思うんですけど大方の日本人には理解されないような、、、。

 

まぁ私は生命保険を販売した経験から「医療保険など不要」と考えておりますので、自身が加入することは絶対ありませんけど、「貯金が全くない人」かつ「健康維持・体調管理に自信の無い人」はもしかしたらこの手の保険は保険料も結果的には安く済みそうですから、選択肢として考えてみてもいいかもしれませんね。(※業界内では保険は貯えの無い人のためのもの、とよく言われます)

 

なんだかんだ言って現行の「国民皆保険制度」に属して保険証を持っている人だったら、医療保険については個人加入する必要はほぼなく、どうしても不安だという人は「都道県民共済」の医療コース1口で充分だと思いますけどね保険屋をやっていた経験から言うと。割戻金もありますし。

 

この新しい形態の保険、医療保険以外の分野にも広まっていくのかどうか、今後の行く末を注視していきたいと思っております。もしかしたら、特に損害保険の分野において保険料が安く済ませられるケースが出てくるかもしれませんし、ね。

 

それでは、また。