45歳で雇われ脱却しました

2024年、45歳で雇われの身より足を洗いました

アーリーリタイアの地域間格差を考える

 

おつかれさまです。

 

 ポイント還元、恩恵偏り、対象店、東北など少なく、コンビニ、還元額多く  2020/01/06 日本経済新聞 朝刊

 

2019年10月の消費税増税とともに始まったキャッシュレス決済のポイント還元制度。開始後のデータからは、住む地域や店舗の種類によって恩恵に偏りがあることが分かる。クレジットカードを持つ中高所得者低所得者よりも還元額が大きい可能性もある。キャッシュレスの普及に弾みをつける政策であるなら、より多く人を取り込む機会にすることが欠かせない。

 

(中略)


 19年12月21日時点の登録店舗数を人口千人あたりでみると、石川県と東京都が10店を超え、京都府福井県鳥取県富山県大阪府が続いた。一方、東京以外の関東と東北の各県は少ない。市町村別では群馬県草津町、長野県軽井沢町、神奈川県箱根町などの観光地が上位に入った。


 (中略)


 制度の対象となる中小・小規模事業者とコンビニエンスストアの間でも制度の利用ぶりに違いがある。
 12月時点でコンビニは登録店全体の5%にすぎず、還元率も2%と中小などの5%より低いが、累計還元額は全体の15%の約100億円となった。コンビニの方が利用は活発で、店側が集客や販売増に生かしている可能性がある。経産省の商業動態統計によると、10月と11月に小売業の販売額は前年同月を下回ったが、コンビニはプラスだった。
 

(中略)


 実際に蓋を開けてみると還元の対象になった決済の約60%をクレジットカードが占めた経産省調べ)。もともとカードは所得の多い人ほど利用しており、中高所得者の方が制度の恩恵を受けているとみられる。
 カードの保有には年収などの審査があり、年会費が必要な場合も少なくない。ジェーシービー(JCB)の18年の調査では、クレジットカード保有世帯の生活費は月19・4万円と、保有していない世帯の12・9万円より6万円以上多い。
 今回のポイント還元制度の導入には、個人の決済に占めるキャッシュレス比率を高める狙いもある。キャッシュレス推進協議会によると、日本は16年時点で19・9%にとどまり、韓国(96・4%)や英国(68・6%)、中国(65・8%)に水をあけられている。
 少子高齢化で人手不足が深刻な日本は、小売りやサービスの現場を効率化できるキャッシュレスの重要度が高い。普及が進めば現金のやりとりや小銭の用意、会計処理、銀行への入金など様々な手間が省ける。
 ポイントという金銭的恩恵でキャッシュレスへと誘導する還元制度に政府は約7千億円を投じる方針だ。巨額の予算を使う以上、キャッシュレスの普及と増税時の景気対策としての効果は厳しく問われる。

※2020/01/06 日経新聞 朝刊より引用 太字は管理人強調

 

このような記事を目にしました(リンクはこちら)。

 

何となく感じていたことではありますが、私の住んでいる地域においては、現在行われている「キャッシュレス還元」の恩恵を受けられるシーンが非常に少ないと感じております。このブログを書き始める前に、関西に旅行に行ったことがあったのですが大阪や京都の町中では私が利用したところは結構どこでも「〇〇ペイ」やクレカを使えたため(場所によっては寺社の拝観料もキャッシュレス対応)、財布の中には1万円程度(それでも普段の私の感覚では多い)しか入れていかなかったのですがATMを探して歩くなどという必要もなく、結局2泊3日の旅行から帰ってきたときに財布の中には5,000円以上の現金が残っておりました。

 

私は今住んでいる地域に転勤で越してきてから約2年半になりますが、今でこそクレカ払いができる店を探し出し、日々の生活の中ではほとんど現金が必要なシーンは無くなりましたけれど、来てから1年くらいはそのリサーチに苦労した憶えがあります。普段財布の中が3,000円未満の弧男にとって、最初の開拓は非常に面倒でした。

 

この「キャッシュレス還元」に関しては、事業者側でも端末の設置及び設備投資の必要があったり申請の手間があったりして、競争の多い都会では導入する事業者も多いのでしょうが、地方では「入れても入れなくても、そもそも競争環境がない」ため、利用手数料をはじめとして事業者の負担ばかりが増すこれらの制度利用は伸び悩んでいるのではないか、というのが私の見立てです。私が住む地方でコンビニのレジを見ている限りでは、現金払いの人が本当に多いです。セブンでのnanacoはそこそこ見かけますがローソンやファミマだとほぼ現金払いしかいないんじゃないかと思うくらいです。

 

で、地方においてそのハンデを覆すくらいに物価が都会と比べて安いのか、というと全くそんなことはありません。むしろ高いんじゃないかと思います。

 

先日の私の家計支出記事でもお分かりの通りだと思いますが、電気はともかく、ガス・水道は都市部に比べて非常に高いです。また、食品なども「道の駅」などに代表されるようないわゆる「産直市場」がある場所は地場産の野菜や魚などはやや安価に手に入れることが出来るものの、畜産品・加工品などは競争原理が働かず、むしろ割高感を感じます。

 

 

地方において結果的に都市部と比べて安いのは「家賃」に関する項目だけであって、その他はむしろ高いため、結果的に支出の総額自体は大して都会と変わらないという結果になるというのは、他のブログやメディアなどでも言われている事ではありますが、やはり私も身をもって感じている次第です。

 

ただし、「自給自足生活」に限りなく近い事をやろうとすれば、またやる能力のある人は地方の方がはるかに低コストで生活ができるかもしれません。たとえば「外食」なんてしなくても料理の腕を上げるとか、薪風呂やストーブなどを利用する生活に耐性のある方とか、電気の使用量を極限まで抑えてソーラーパネル設置で賄うレベルで生活できる人、土地を耕しある程度の野菜などを育てながら暮らすなどといった事に抵抗感のない人は地方(というか田舎)の方が支出は抑えられるんではないかと思います。正直なところを言えば、私がアーリーリタイア実行後、実家に帰ってやろうと考えていることはこのような生活です(現時点でこのような能力やバイタリティがあるというわけではないですが)。

 

ただ、田舎にはこれ以外にもデメリットがあって、地域によっては「人口が少ないため」に高齢化率が異様に高かったりすると国保介護保険料などに割高感が出てきたりすることもあるようで(違っていたらすみません)、この辺は特にリサーチが必要不可欠な項目ではないかと考えています。うろ覚えの知識ですので「それは違うよ」という事があったら訂正しますので詳しい方がいらしたら是非ご教示下さい。

 

アーリーリタイアする場合の居住地については、そこそこの資産が出来て、自給自足生活などが苦ではなく、多少の不便も知恵で乗り切れる(そのバイタリティがある)という方の場合は地方・田舎、かなりの資産をお持ちで配当金など不労所得で普段の生活が賄える、という方はある程度の都市部が良いんだとは思います。なんだかありきたりな結論になってしまいましたが。

 

なんだかんだ言って「キャッシュレス施策」は、キャッシュを持っている都市部の方に有利な施策、地方・田舎に引っ込むことを考えている私のようなものは「キャッシュ自体を使わない」策を考えていったほうがよさそうです。私個人的には引用の記事にもあるように「人口が少ない地域」「現金の運搬や調達自体が困難な地域」こそキャッシュレスが普及してほしいと思っているのですけれどもね。使用人口や頻度が少ないがために手数料負担が重くのしかかりその普及を阻むというのは皮肉なものです。

 

なんだかまとまりのない文章となってしましましたが、こういった地域間格差も実際には大きくあることを考えて、アーリーリタイア後の居住地については選んでいきたいものです。

 

それでは、また。