ローンを組むと貯蓄ペースは鈍り、精神も擦り減る
おつかれさまです。
タイトルは、私が実感として思っていることです。
特に「貯蓄ペースが鈍る」というのは万人に当てはまるわけではありませんが、感覚として9割5分以上の人に当てはまるのではないかと思います。
何を当たり前のことを…という向きもあるかもしれませんが、借り入れで資金効率を上げ事業を拡大しその後売却…という事もあるかと思いますので一概に当てはまるわけではないというのはそういう意味です。
私が今まで生きてきた中で、ローンを組んで払っていたものに「車」、また、ローンという名前ではないが類するものとして「奨学金返済」があります。
私は学生の時に耐乏生活を送り、その中でそこそこの節約術を身に着けた、ということは以前のエントリーで書きました。
大学を卒業し就職後、まずは奨学金という名のローン返済が始まりました。
ローンといっても当時、日本育英会の奨学金には二種類あり、第一種(利息なし)と第二種(利息あり)というものでした(これ以外にもあるかもしれませんが個人的に知らないので割愛します)
私は運良く「第一種」で借りることが出来ていました。返済金額とモデルは以下のような感じでした。
・借入額=月額59,000円×12か月×4年=2,832,000円
・返済プラン=2,832,000円/15,000円月額均等払い=15年9か月の返済(最終月のみ12,000円)※私は一浪していたので38歳までの支払い
このような状況に対し、当時の給料手取りは概ね色々差っ引かれて15万くらいだったと記憶しています(転勤アリの環境で、借り上げ社宅だった家賃なども天引きだった)。
しかし、学生時代の経験から就職後は最低でも毎月5万ずつ貯蓄し、残りで生活、奨学金返済分を差し引いても特に問題なく生活を維持できていました。当時、特に欲しいものもなかったので賞与は全額貯蓄に回していました。車が必須の地域でしたが親のお下がりをタダでもらって乗っていたため車のローンなどもありませんでした(保険・整備は無論自分で払いましたが)。車の部分は親から援助を受けたといってもいいでしょう。10年落ちのトヨタ車でしたけどね。
とにかく、そのような形で2年間、約120万/年の貯蓄ペースで資産を増やすことが出来ました。
しかし3年目、そこそこの貯蓄となった(と当時は思っていた)私は、周囲の勧めから、新車の購入、しかも不釣り合いな3ナンバー車を契約してしまいました。当時付き合っていた女性がいて、見栄を張る意味も多分にありました。
総額290万円で頭金200万をキャッシュ払い、残り90万円をローン払いで月3万×2年近く+賞与時夏冬10万×4回、という今考えれば相当にアホな契約で新車を購入してしまったのです。
この後はしばらく、約2年間は貯蓄のペースが大きく鈍化したのを強烈な印象として憶えています。年間貯蓄は50万くらいまで下がったような感じだったと思います。当然ですね。手取り15万円に対してローン額としては45,000円/月ですから。賞与払いまであるし。
しかも、結局この時買った新車は、ローンを払い終わった後半年で事故にあい廃車となる運命になりました(たまたま車両保険をかけていたので、約160万円の保険金が下りたためそのあとの車購入に際し費用負担はなかった)。
私はこの事故の後から、基本的にローンというものを一切組まなくなりました。周りの声にそそのかされて身の丈に合った生活を崩すとロクなことは無いと悟りました。
その後、会社では転勤先上司のパワハラにより退職(27歳の時)、その後約2年間、役所の臨時職員や生命保険営業2社を経て、今の会社にたどり着きます。この時は貯蓄が30万/年くらいしかできず、精神的にも金銭的にも暗黒時代でした。この時ローンの類は奨学金の返済のみだったのですが、一時的な無職の時に国民年金の支払いなども重なり、常に精神的に不安定な感じだったように思います。今考えると、よくこんな時にも株式投資は続けていたなと思える程です。
今の会社に入った(29歳の時)後は、薄給でしたけれども最低でも年間120万の貯蓄は復活していきました。33歳のころ、金銭的な余力がだいぶ出てきたため奨学金の返済も終わらせてしまおうと思い立ち、残額80万くらいを一括返済しました。
そうしたところ、日本育英会から報奨金として8万円程の振り込みがありました。今はどうか知りませんが、当時は一種奨学金の場合、繰り上げ返済をすると一括返済額の10%報奨金が出るという制度があったのです。私はその存在を知らずに過ごしてきたのですが、自分のバカさを悔やみました。25歳の時、車を買わずにそれをやろうと思えばできていたのですから。
過去のことを悔やんでも仕方ないのですが、やはり無知はいかんなー、と強烈に思った出来事でした。
ローンのなくなった現在では、賞与は丸々手を付けず、薄給ながら給与からもそれなりのペースで積み立てできるようになりました。最近では持ち株企業の増配もあり、さらに速度は上がっています。
身の丈発言で一悶着あった閣僚の方もいましたが、小畠虎盛も遺言したという「よくみのほどをしれ」は大事ですね。
それでは、また。